【旅は道連れ】素直シュール【酔わなさげ】
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:01:16.77 ID:Qce4r/hv0
- 女「突然なんだが。」
男「ん?」
女「・・・。」
男「・・・。」
女「・・・。」
男「・・・。」
女「米。」
男「・・・。」
女「・・・。」
避難所: http://yy27.60.kg/surrealism/
まとめ:http://sur.ifdef.jp/
※リンクにある各サイトも必見です!
Wiki:http://www14.atwiki.jp/gaseousform/
うpろだ:http://www18.atpages.jp/surice/cgi-bin/upup2.html
絵を描いた人はここにうp!
ツイッター素直シュールBOT:http://twitter.com/surre_bot
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:01:33.95 ID:Qce4r/hv0
- 素直シュールとは
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%C7%C4%BE%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%EB
ツンデレ
「別にあなたの事なんか好きじゃないんだから!
な、何笑ってるのよ!!本当だからね!」
素直クール
「君が好きだ。付き合ってくれないか?」
素直シュール
「米………そういえば君が好きだ」
【注意―Warning―】
ここは素直『シュール』スレです。
素直『クール』スレではありません。
書き込む際には確認をお願いします。
女「突然ですまないが君が好きだ」
男「実は俺も…」
女「あ、間違えた」
男「すk…え?」
女「みんなも誤爆には気をつけよう」
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:03:08.16 ID:Qce4r/hv0
- 2011.12.31 水曜日 午後22時には毎年恒例三姉妹スレッドが立ちます。
素直クール、シュール、ヒートによる合同スレです。
皆さんふるって御参加ください。
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:05:03.00 ID:Qce4r/hv0
- 横断歩道
婆「……」オロオロ
女「……」
女「おばあちゃん、どこまでお出かけですか」
婆「……ああ、VIP駅までいきたいんだけど」
女「お任せください」
ppp
婆「?」
女「……もしもし、男か」
女「ああ、うん。今どこにいる」
女「VIP駅? ちょうど良い。VIP駅の入口まできてくれないか」
女「そうだ」
女「おう。今からおばあちゃんを投げるから、キャッチしてくれ」
婆「?!!」
女「? 分かった。確かに、ご老人は大切にしないとな」
その後、女版タオパイパイが目撃される。
足元にあるのは丸太ではなく、少女だったという。
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:05:32.61 ID:Qce4r/hv0
- 男「……」
女「……」ゴロゴロ
男「……」
男(天井でゴロゴロしとる……)
男「おい、あの三重ロックをどう外した」
女「確かにあれは厳重なセキュリティだった。だが、私の愛を防ぐには聊か頼りない」
男「質問に答えろ! あれ結構高かったんだぞ」
女「頭を使っただけだ」
男「もっと具体的に」
女「だから、頭を使ったんだ」
男「……といすとーりー?」
女「おーいえす」
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:07:01.32 ID:Qce4r/hv0
- 女「町はクリスマスムード一色だな」
男「さみーから早く帰ろうぜ」
女「商店街は飾り付けが凄いらしいぞ」
男「さみーから早く帰ろうぜ」
女「……」
男「……」
女「お前の頭の中をクリスマスにしてやろうか」
男「ちょっと買い物思い出したわ。商店街行こうぜ」
商店街
男「おー、結構本格的な飾り付けだな」
女「……綺麗だ」
男「電気代凄そうだ」
女「お前の家も飾り付けしよう」
男「小さい頃はツリーとか飾ってたけどな。今はもう面倒でやらねーかな」
女「シベリアに頼めば木はなんとかなるだろう」
男「ちょっと無茶振りすぎない?!」
女「飾りは私とお前と、ネコで」
男「あんまりでかいと面倒だぞ」
女「?」
男「いや、ツリーでかいとそれだけ飾りもいるじゃん」
女「ああ、私達二人とネコじゃ足りないという事か」
男「いや、人手の問題じゃなくて」
女「吊るされるバイトって自給いくらくらいが妥当だ?」
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:08:48.02 ID:Qce4r/hv0
- 男「メリークリスマス、シュー」
女「……これは」
男「クリスマスプレゼント。そんなに高いもんじゃねーけど」
女「開けてみて良いか」
男「おう」
ガサガサ
女「!!」
女「これは、ちくわ?」
男「チョーカーだよ!! 首につける奴だよ!!」
女「やけに平べったいと思った。なるほど、ちょーかー、ちょーかー」マジマジ
男「……どう?」
女「天使の輪のようだ」
男「ちくわからえらく昇格したな」
女「……」ホロリ
男「?!」
女「ありがとう。大切にする」
男「お、おう」
女「じゃあさっそく付けようと思うんだが」
男「!」
女「せっかくだし、二人で付けないか」
男「壊す気満々だよ!!」
女「大丈夫、知り合いの医者は名医の友達だ」
男「こっちの首を合わせるんだ?」
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:10:09.66 ID:Puk0M+Yn0
- >>1
ぬるぽっつ
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:11:53.36 ID:HvA7XXBmi
- いちょつ
>>8
ガッ
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:16:55.36 ID:Qce4r/hv0
- 男「ぎゃああ、雪積もってやがる!!」
女「白銀の世界だな」
男「どうしよう、自転車は危ないだろうし、あー。先週買いだめしとくんだった」
女「雪で食べ物を作って、買い物に行った気分になるしかない」
男「雪溶けるまで水で過ごせってか」
女「まぁ最悪、私が買い出しにいってやる」
男「いや、いいって。今から歩いていくから」
女「あ、あれ近くのデパートじゃないか?」
男「えっ」
女「……」
男「……」
女「……東に流されていくな」
男「……」
女「男、そこに寝そべるんだ。全力でいけば間に合うかもしれない」
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:19:23.66 ID:Qce4r/hv0
- 女「ドアや窓の隙間を埋める事で、室温を保つ事が出来る」
男「外に出たいです」
女「そこにある冬眠のすゝめを読みなさい」
男「嫌です。死んでしまいます」
女「今外に出ると死ぬぞ」
男「……」
女「私が」
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:24:36.35 ID:Qce4r/hv0
- 女「こたつは良い。素晴らしい」
男「全くだ」
女「みかんを寄越せ」
男「ほれ」
女「こたつで食べるみかんは美味い」
男「全くだ」
女「いつかこの星をこたつで包みたい」
男「いや、それはちょっと……」
女「じゃあ私とお前だけでも良い」
男「もう既に包まれてるぞ」
女「いや、まだ上半身が包まれてない」
男「潜れってか」
女「潜って、中で冬を過ごすんだ。春になったら、咲きほこる花のように顔を出そう」
男「死体になってそうだが」
女「みかんがあれば死なん」
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:25:07.69 ID:Puk0M+Yn0
- ∧_∧
( ´・ω・) <こたつめ、ハハハ
//\ ̄ ̄旦\
// ※\___\
\\ ※ ※ ※ ヽ<ハハハ
\ヽ-___--___ヽ
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:33:01.60 ID:HvA7XXBmi
- このAAの中身はシューだったのか
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:39:18.29 ID:HvA7XXBmi
- ほ
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:42:37.32 ID:Puk0M+Yn0
- っ
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:47:23.47 ID:Qce4r/hv0
- 男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「こ――」
女「な!!」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:52:52.19 ID:HvA7XXBmi
- ほ
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 22:58:43.09 ID:Qce4r/hv0
- 女「……だが待ってほしい」
男「?」
女「大掃除をしても一年後にはまた元通りだ」
男「たぶんな」
女「それは一年かけて物が増えるからだろう」
男「間違いない」
女「毎日引っ越ししよう」
男「いやです」
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:05:51.48 ID:Puk0M+Yn0
- 米
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:05:56.96 ID:Qce4r/hv0
- lw´‐ _‐ノv
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:06:49.78 ID:pH+/6iOV0
- いちおつなのおほおおおお
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:09:51.23 ID:Qce4r/hv0
- めりーくるしみますだし、以前頼まれた奴投下するんよ
たぶん10レスくらい
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:11:41.48 ID:Qce4r/hv0
- 「近藤さんは男の嗜みだぜ」
近藤さんが誰なのかさえ知らなかった俺は、普段と違うにやけ顔を見せる友人らから小さな袋を貰った。
お菓子箱のようなものから出てきた幾つもの袋は薄く、小さく、軽かったのを覚えている。
帰宅した後にパソコンを起ち上げて調べてみると、やはり近藤さんは俺の知っている近藤さんだった。
「財布に一つ忍ばせておくのが紳士たるものの役目だろ」
したり顔の友人は、どこか戦場から生還した兵士の雰囲気をしていた。
これが経験者の放つオーラというやつなのか。
「……紳士、ねえ」
包装された近藤さんを机の引き出しにしまったところで、俺は目を覚ました。
記憶には薄いけれど、確かにそこにあった現実だ。
机の中の近藤さんは、今も静かに時を待っている。
くるかどうかも分からない出番を、まだかまだかと、たまに引き出しをカタカタ揺らしながら。
――
朝の目覚め方一つで、その人の世界からの待遇が分かる気がする。
味噌汁の香り、幼馴染の悪戯、家族の声、目覚まし時計の電子音、床とのキス。
受諾難易度と待遇の質は比例し、一つのステータスとしてなり得る。
包丁が葱を刻むトントンと言う音で目覚めるのと、真夏の蒸し暑さで目覚めるのとでは、天地の差を感じずにはいられない。
しかし、例えそれが弛まぬ努力の結果と、怠惰に溺れた結果であったとしても、人は不公平と叫ぶのだろう。
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:12:32.59 ID:Qce4r/hv0
- その日は悪くない目覚めだった。
なぜ目が覚めたのか分からないくらい心地の良い、嗅ぎ慣れた香り。
俺は無意識にその香りの方へ顔を向け、両手で抱き締める。
「……」
感触が普段と違うので薄っすら目を開けると、白い寝巻きの隙間から可愛らしいへそが見えた。
少し視線を上へ移すと、このへその持ち主こと素直シュールの寝顔が見える。
お互いの位置が上下にややずれているらしい。
「……」
へその下に顔をうずめながら両手をまわし、尻を揉む。
揉む。
もむ。
揉んだときに指と指の合間に溢れる肉を楽しみながら、伸ばしてみたりへこませてみたり。
自分のものとは全く違う、指が沈んでいくような感触。
急速に意識が覚醒していくのが自分でも分かる。
ぼやけていた視界は鮮明になり、下がっていた体温は戻り、静かに脈打っていた心臓は今や普段よりも高鳴っている。
同時に、背中から嫌な汗が出始めた。
今自分は一体誰に何をしているのか。
生唾を飲み込みながらゆっくりと上を向くと、二つの目が俺を見下ろしていた。
「おはよう。将来餅職人を目指すなら、水を足す相方がいると思わないか」
素直シュールはむくりと起き上がり、
「つきたてのようだろう?」と笑いながら俺の頬をつねってきた。
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:12:53.93 ID:Puk0M+Yn0
- クルー
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:13:16.70 ID:Qce4r/hv0
- 「シュう、いはい」
「揉まれる餅の気持ちを理解するんだ。そうすれば自ずと揉むべきポイントが見えるようになり、」
さらにつねりあげる。
「いずれは日本一の餅になれる」
「っ、職人どこいった」
頬の痛みに耐えて強引に手を払う。
「おはよう、シュー。……これで前科499犯目。500犯記念の称号は不法侵入マスターと不法侵入王どっちが良い」
「お前が知らないだけで、もう軽く四桁だぞ」
絶句。
「日に日にうちの冷蔵庫に新鮮な野菜が増えてたり、米櫃が常に満タンになってるのは」
「何を隠そう、私の功績だ。こう考えると、」
ふらりと前に倒れ、俺の胸に頭を預けるシュー。
女の子の香りが鼻を撫でる。
俗にいうぺしゃんこ座りからもたれ掛かられると、男の子は本能的に抱き締めてしまうのだ。
「不法侵入にも良し悪しがあると思わなぐぇえエエ、」
抱き締める。
思い切り。
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:14:39.49 ID:Qce4r/hv0
- 「ぐええぇええェエ」
シューの両腕と、両足のつま先がびくびくと痙攣する。
「思う訳ねえだろ! 箪笥から子供用の服が、押入れから身に覚えのねえ『想ひ出あるばむ』が出てきた時の俺の気持ちが分かるか!」
ストーカーほど精神的に恐怖を感じるものはない。
一つ一つは無視できる違和感でも、それらが積もり重なり、最後に人は耐えられなくなる。
これは経験してみないと分からないはずだ。
「ぇう、あ、だか、ら、けほっ」
一旦、抱擁を緩める。
上記はこうそく、と読むものとする。
「はぁ、はぁ。だ、から、ストーカーと、差別化、する為に、」
「する為に?」
「お前が帰ってきても慌てず騒がず、笑顔でお出迎ぇぅウうううううう」
シューの口元から涎がぽたりと本人の胸元に落ちる。
抱き締める力の強弱で喘ぐところは、どこからどう見ても普通の女の子だ。
残酷に映るかもしれないが、普通の女の子は服の隙間から白米が漏れ出しはしないだろう。
「……」
「あんッ、はぁッ、あっ、うっ」
抱擁の強弱によって、ざらざらという音と共に米粒が溢れる。
まるで米俵のようだ。
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:15:45.33 ID:Qce4r/hv0
- 粗方白米を絞り出したところで、俺は我慢が出来なくなってシューを抱き締めたまま押し倒した。
「まっ、待ってくれ男! あれを、せめてあれを取らせてくれ!」
シューの指差す方を見ると、壁に天狗のお面が飾られていた。
しっかりとした造りが伺えるそれは、長く太い鼻と特徴的な太い眉毛を携えている。
勿論見覚えはない。
「お前と違って私にはないんだ! あれを付けないと勝負にならないだろう。私に剣無しでちゃんばらしろと言うのか!」
「どんな図だよ!!」
叫びに呼応するかのように、壁に掛けてあった天狗のお面が床に墜落した。
からん、からんという乾いた音が部屋に響く。
それに勢いをそがれてしまったせいか、しばらく押し倒した体勢のまま何もせず沈黙が続いた。
「……」
「……」
こういうときは、どうすれば良いのか。
何が正解なのか分からず、かと言ってこのままの沈黙が正解という訳でもない事は分かる。
何もしないまま背中を汗で濡らしていると、ぺろりと頬を撫でる感触にハッとさせられた。
「……お前、汗だくだぞ。大丈夫か」
「ああ、いや。大丈夫だ。えっと、その、」
言いながらいつの間にか装備されていた天狗のお面を剥がす。
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:15:46.69 ID:Puk0M+Yn0
- おっおっ
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:16:37.22 ID:Qce4r/hv0
-
「ふふふ、それは顔につけるだけではただの長い鼻だ。それの真の使い方は――」
「いや、いい。説明しなくていい。チャンバラしたくないし」
一気に落胆の色が濃くなるシュー。
玩具を買ってもらい損ねた子供のようだ。
「……男はいいな、天狗のお面つけなくて済む」
「大丈夫だ。つける必要性を全く感じない」
「あると何かと便利じゃないか、それ」
言いながら視線を下に向けるシュー。その先には毎朝恒例とも言える見慣れた息子の姿があった。
ただし、毎朝恒例のそれではなく、今の状況に反応してのあれなのだ。
そう、つまり客観的に見るとそういうことだ。
「ちょっと物を置きたいときとか、両手が塞がってるときにドアを開けたいときとか」
「俺今まで生きてきてそんな使い方した事ねえぞ」
「それは宝の持ち腐れという奴だ。勿体ない。こんなに利便性に富んだフォルムをしているというのに」
優しく撫でられた息子はまるで喜ぶように震え、より一層激しく自己主張を始める。
同時に俺の背筋にも電流に似た何かが走り、より強くシューを抱きしめる。
「シュー」
「なんだ」
「その、本来の使い方、していいか……?」
「トイレならドアを開けて右手側の奥だ」
言い終えるまでには間に合わなかったが、とりあえず口を塞ぐ事に成功する。
一瞬シューの身体がびくりと震えたが、その後は大人しく目を閉じた。
片方だけ。
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:17:09.76 ID:HvA7XXBmi
- ?!
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:17:56.01 ID:Qce4r/hv0
- ――
後ろから突き上げるたびに、一滴、また一滴とシューの口元から唾液が落ち、シーツに染みを作っていく。
「……あっ、ん。……っ」
絡み合う液体の音、シューの声、体温、感触、生々しい匂い。
それらが上へ上へと重なり合い、際限なく高まっていくのが分かる。
“一つになる”というのは凸と凹からなる物理的な意味だと思っていたが、それは違った。
温もりを共有し、鼓動を感じ合い、一つの空間の中でお互いが重なり合う。
どちらかと言えば“融合”とか“融解”に似ている。
「っ、う、……あッ、」
「はぁ、はぁ。シュー、大丈夫、か?」
「……っん、も、っと……」
初めてしたときは頭がいっぱいで、ただ腰を動かす事しか考えられなかったが、何度目かの今は少し視野が広がった気がする。
少し相手を案じる余裕が出来たとか、相手の反応を観察出来るようになったとか。
「はぁ、はぁ。シュー」
具体的には、
「それ、なんて、はぁ、書いてあるんだ」
「……んっ、はぁ、こ、米」
相方が唾液でシーツに文字を描いているのが分かった。
二文字目に差し掛かろうとしたので、体位を変えることにした。
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:19:12.42 ID:Qce4r/hv0
- ――
「……シュー?」
「……」
日も暮れ、お隣さんの夕飯の香りが気になり始める頃、シューは返事をしなくなった。
出し入れすると僅かに体をぴくりと反応させる程度で、それ以上動こうとしない。
体中の穴という穴から様々な液体を垂らしながら、ベッドの上でぐったりとしている姿はどこかそそるものがあった。
「……ふぅ」
股間の激痛に耐えながら一仕事終えた息子を引き抜くと、中からどろりと白濁液が溢れた。
もうどれだけ出したのか覚えていないが、少なくとも溢れ出た精液がシーツに小さな池を作るくらいは出したのだろう。
溢れる白濁液が途中から明らかに薄くなり始め、米の研ぎ汁のような香りがし始めたが俺は無視した。
「お疲れ様、シュー」
ずっとつきあってくれた愛しい人の頭を撫でる。
撫でると額に書かれた『再起動中』の文字がちらりと見え、急いで本人の前髪で隠す。
すると半開きのまま動かなかったシューの目に光が戻り、俺の方を見た。
「男」
「シュー、大丈夫か」
「……うん」
言いながら、微笑んでくれる。
もう一度頭を撫で、『起動中』の文字が額から見えたので素早く前髪で隠す。
そのときの俺の表情は、恐らく怖いくらい無表情だったと思う。
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:20:22.38 ID:Qce4r/hv0
- 「……凄く、気持ち良かった」
「そっか」
「お前に初めて会ったときとか、ずっと一緒に居るって言ってくれたときの衝撃が、ずっと続く感じなんだ」
ごろりと俯せになり、枕に顔を埋めるシュー。
「もう何も考えられなくなるくらい幸せなんだ。少し、苦しいくらい」
横で仰向けになってる俺に頭を摺り寄せてくる。
“撫でてほしい”の合図だ。
激しいデジャブを感じながら頭をそっと撫でると、ずれる前髪の奥から『CG-No.43回収』の文字が見える。
俺は表情を微動だにさせず、あくまで平静を装いながら極めて慎重に前髪で隠した。
「男も、気持ち良かったか?」
こっちを向く際に、さらりと前髪が流れ『確変中』の文字が見える。
「もちろん。今隣にシューがいる事がすげえ幸せだ」
汗一滴垂らす事なく、非常にソフトなタッチで、かつ自然にシューの頭を撫で、前髪の位置を調整する。
「そうか」
「うん」
「じゃあ、生まれてくる子の名前でも考えるか」
明らかに不自然に前髪が跳ね上がり、『どっきり』の文字が見える。
俺は笑って頷き、再び前髪を撫でて見なかった事にした。
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:21:01.15 ID:Puk0M+Yn0
- (*´Д`)
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:21:18.72 ID:Qce4r/hv0
- ――
かたかた。
帰宅して机に鞄を置くと、引き出しが震えた。開けると、いつからかそこにあった小さな袋が姿を見せる。
「……お前も運がないな」
いつか使うときがくると思ってしまってあったそれは、随分と古くなってしまった。
これでは、下手すれば本来の目的は果たせないかもしれない。
俺はそっと掴むと、部屋の隅にあるごみ箱に向けて投げた。ゴミ箱はくるりと身をひるがえして投げた小袋をかわす。
「……またか」
あれから何度しても、シューが身籠る事はなかった。
どう考えても、行為の後に出てくる米の研ぎ汁で洗い流されているようにしか見えない。
シューに聞くと、『収入が安定してからな』と、物凄い冷静に返された。
どちらにせよ、あれは俺には不要らしい。
「シュー、買い物いくぜ」
押し入れから釣竿を垂らしていたシューこと素直シュールが姿を見せる。
釣り糸の先は勿論ゴミ箱の淵に。
「あれをお前に渡すようお前の友達に依頼したのは私だ」
俺は黙ってシューの頭を撫でる。額には『ずっと愛し』。
「……文字数制限あんのかよ」
END
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:24:56.95 ID:HvA7XXBmi
- GS!
また一つ切り拓かれたか
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:26:32.09 ID:pH+/6iOV0
- やだなにこれシュごい心ほんわか股座怒頂天なのですけれども
GSをめり込むほど投げつけてもいいですか
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:31:24.94 ID:Qce4r/hv0
- 女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「男、お前のコップひび入ってるぞ」
男「えっ。まじで? どこよ」
女「ここ、底の部分」
男「うわー、マジだ。よく気付いたな」
女「えっ」
男「だって底なのに」
女「……」
男「……」
女「まぁ、うん」
男「……」
女「作ったの、私だからな」
男「……どっちの意味だ」
女「どっちもだ。すまない」
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:34:40.66 ID:pH+/6iOV0
- ttp://www18.atpages.jp/surice/cgi-bin/source3/sur0297.jpg
ttp://www18.atpages.jp/surice/cgi-bin/source3/sur0298.jpg
いつか俺も本気出す(性的な意味で)
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:38:33.30 ID:Qce4r/hv0
- サー
女「……雨、か」
男「ほらどいたどいた」ドサドサ
女「?」
男「ここんとこ雨だから、洗濯物が限界なんだよ。部屋の中に干すからどいてくれ」
女「……」
―― 部屋の中に紐で簡易物干し竿を建設 ――
男「良し! 出来た」
女「……」
男「これでいくら洗濯物が出来ようが安心だ。いくらでも干せる」
女「男、今思ったんだが」
男「どうした」
女「カレーは食べ物と飲み物どちらにも属する」
男「お前今までそれ考えてたの?」
女「二日くらい前から」
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:40:43.90 ID:HvA7XXBmi
- >>41
笑いながら抜いた
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:44:48.01 ID:Qce4r/hv0
- >>43
新人類現る
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:50:51.62 ID:Qce4r/hv0
- 女「っく……ほわァ」
男「眠いのか?」
女「今のは欠伸じゃなくて叫び声だ」
男「……何か叫ぶような事あったか?」
女「知り合いにボールペン貸したままなのを思い出した」
男「……」
女「眠くなるくらいのショックだった」ホワワ
男「……」
女「ちなみに貸したのがボールペンじゃなくもっと大切なものだったら『ホワァ』になる」
男「例えば?」
女「一宿の恩とか」
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:56:07.16 ID:Qce4r/hv0
- 女「お前の家のティッシュは貧相だ」
男「別に何でも良いだろ」
女「こいつを使え」
男「なにこれ」
女「キムワイプ」
男「……普通のティッシュとどう違うの」
女「値段は桁違いだぞ。鼻をかみたくなくなるくらいにな」
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:56:52.18 ID:pH+/6iOV0
- 例によって完成するかどうか分からないんだけれど>>37の文章をゲームにしてみてもいいかな?
いやほんとお借りしようっていうのに出来るかわかんないっていう失礼っぷりで本当に申し訳ないんだけれど
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/23(金) 23:59:20.11 ID:Qce4r/hv0
- >>47
どぞ
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/24(土) 00:01:00.09 ID:rbmUSRNCi
- 合作というやつか
胸が熱くなるな
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/24(土) 00:07:50.06 ID:Ecxhm86g0
- ホッシュ(AAry
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/12/24(土) 00:08:20.60 ID:f3lmM7MB0
- >>48
ありがとうございます
遅くても新年一発目ぐらいにはある程度の形で見せられると思います