【接着剤で】素直シュール【離れない】
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 00:53
女「突然なんだが。」
男「ん?」
女「・・・。」
男「・・・。」
女「・・・。」
男「・・・。」
女「米。」
男「・・・。」
女「・・・。」


避難所: http://yy27.60.kg/surrealism/

まとめ:http://sur.ifdef.jp/
※リンクにある各サイトも必見です!


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 00:53
素直シュールとは
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%C7%C4%BE%A5%B7%A5%E5%A1%BC%A5%EB

ツンデレ
「別にあなたの事なんか好きじゃないんだから!
 な、何笑ってるのよ!!本当だからね!」
素直クール
「君が好きだ。付き合ってくれないか?」
素直シュール
「米………そういえば君が好きだ」


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 00:54
【注意―Warning―】

ここは素直『シュール』スレです。
素直『クール』スレではありません。
書き込む際には確認をお願いします。


女「突然ですまないが君が好きだ」
男「実は俺も…」
女「あ、間違えた」
男「すk…え?」
女「みんなも誤爆には気をつけよう」


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 00:56
>>1

乙!

そして1000目前にして鯖落ちとはさすが素直シュールだwww

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 00:59
一乙。とりあえず前スレ完走も後少しですとよ。

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 00:59
>>4
おk   でも前スレまだ生きてた・・・
専ブラだと落ちてるのに・・・

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:00
前スレ復活したよ

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:03
保守

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:04
理解
ダブルでほしゅーる

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:10
前スレはそろそろ埋まるべ

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:11
女「スレが2つ……」
男「いや、まあ1つ前のはもうそろそろ終わるだろ」
女「これはまさに、もろ手におにぎり……」
男「いやそんな言い回しはないだろ」
女「なのでおにぎりの1つをきみに」
男「いや、今実際にもってるわけじゃないだろ」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:22
保守る!

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:22
保守

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:29
ショートシュール●パルコで売ってたので。

女「突然だが、水着姿になってみた」
男( д)゜゜
女「……似合うか?」
男「悶絶したくなるほどに素敵な眺めですが、何故こんなタイミングで?!」
女「……素直プール」
男「駄洒落かよ」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:31
ダリ復活おめでとう

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:32
 |___
 |  ヽ
 |Vw″          素直シュール万歳。
 |_‐ノv  n_
 |ヾヘ/> / _)
 |ノ´ノ))ヾ           引き続き 次スレで素直シュールをお楽しみください。
 |听 )  n_
 |H_ \ / _) |||     / ̄ ̄ ̄ ̄/
 |  \ /  ______./ しゅーる./ ____
                \/____/



ってやろうとしたのに・・・                ダリって誰だ?芸術家か!?

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:33
埋まったな

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:34
最後もシュールに締まったw

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:35
シュー「復活おめでとう」
ダリ「うん、ありがとう」
シュー「いや、一時はどうなるかと思ったけど復活できて良かった」
ダリ「それは同感だけど」
シュー「ん?」
ダリ「あなた誰?」
シュー「…」
ダリ「…」
シュー「…姉さん」
ダリ「うそぉ!?」



シュー「ていう夢を見た」
男「…そうか」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:36
前スレより続き
女「ダリが復活らしい」
男「やっと元に戻ったか。」
女「それはいいとして、長編を書いてみた。」
男「なら投下しろよ。」
女「ただ………長いくせしてシュールじゃないかもしれん。むしろシリアスだ。」
男「………。」

どうしたらいいでしょう?

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:37
ちょっとでもシュールなら投下だ
どうしても気になるならシュールにして投下だ
シリアスにしかならないなら、それもシュールと開き直って投下だ

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:38
うむ、まずは投下だ。

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:39
wktk

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:43
埋まったら眠ろうと思っていたのにwww
短編も好きだが長編も読みたい!wktk!

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:44
シリアシュールに頑張れ、wktk

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:44
男「…寝るか…
女「いやん
男「…電気消すぞ…
女「いやん
男「…おやすみ…
女「いやん
男「…
女「…ぉぅ、ぃぇぃ
男「…
女「…ぃゃιヶィ…ょぅι゙ょ…
男「…
女「…
男「…
女「…すや…すや…
男「…はぁ…
女「…ダリは…何度でも蘇る…
男「…
男「…そうか…

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:44
わかった。
ただ、つまらなかったらいってくれ。すぐ戦線離脱するから。



いつもの放課後をつつがなくむかえるかと思いきや、今日は違った。

下駄箱に差出人不明の封筒が入っていたからだ。

生まれてこの十七年間、ラブレターの類をもらったことのない俺は、トイレにダッシュし他の生徒がいないことを確認しつつ、封をあけた。
中に入っていたのは、
「『今日の午後五時に体育館裏にて君を待つ』と書かれた手紙」
そして、
「お米」







……………米?


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:45
「突然のことで申し訳ない」
「やっぱりお前か…」

と、ため息ひとつ。
目の前にいる一応美少女は俺の幼なじみ《三条 秋》。幼稚園からかれこれ十二年の付き合いだ。
秋と過ごしたその十二年間はそれはもう苦労の連続であったことを記憶している。(『米のみの一週間生活』や『米の米による米のための創作料理』など)
とにかく、秋がからむとロクなことがない。

「で、なんの用なんだ?」
「………。」

間をおくのはいつものことだが、今日は様子が変だ。
なんで赤くなってんだ?

「………。」
「秋、どうかしたか?」
「………。」

…らしくないな……。いったいどうしたんだよ?いつもの破天荒な行動で俺を困らすお前は!



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:48
このスレ初級者の俺に米と渡辺さんのことを誰かkwsk

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:48
「秀……。」

やっと口が開いた。どうやらふんぎりがついたらしい。ちなみに「秀」とはおれの名前《千原 秀也》のニックネームだ。

「話がある。」
「……何の話だ?」
「重大な話だ。」
「……前話してた『庭、水田化計画vol.13』についてか?実行は来月だったろ?」
「…違う。」
「じゃあ、『第七回幻の米探索隊in東北』か?勘弁してくれよ、しんどいだろアレ。」
「…秀、真面目な話なんだ。」

なんなんだ、今日の秋は。通常の三倍近くおかしい……いや通常がおかしいからこれは一般でいう正常なのか?いや、自分でも訳がわかんねぇぇ!



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:51
「秀、思えばこの十二年間色々あったな…。」
「え?あぁ、そうだな。」
「食物を作ったり…。」
「ほとんどが米だし、たいがい失敗してたがな。」
「よく軽く外出もしたな…。」
「十数回も死に瀕しなければいい思い出なんだがな。」
「そうだな…。……では、秀。単刀直入に言わせてもらう。」
「…おぅ。」


「私は君が………千原秀也、君が好きだ……!」


「…………………なっ!!!」

まったく予期してない人物から、これまたまったく予期してなかった一言に、俺は頭のてっぺんから爪先まで一気に体温が上がるのを感じた。
た、た、確かに秋は好きなんだが、それはとめっ、友達としてで、それにお、俺はまだ彼女を嫁にもらえるような環境はとの、整ってない……って何考えてんだよ、俺!!落ち着け!!


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 01:57
……………いや、まてよ。秋のことだ、何かいたずらかもしれない……。この十二年間で痛いほど学んでるからな……。危ない危ない……。

「突然のことで驚いただろう。本来ならもっと早く告げるべきだった…。」
「……。」
「だが、もし君にフラれたら、私はまた一人になってしまう、それだけは避けたかった。」
「……秋。」
「君と出会って、私は人と分かち合うことの喜び、人と付き合っていくことの苦しみ、人をからかうことの楽しさなど、多くのことを知った……。」
「………。」
「君がそばにいてくれたから、君がはげましてくれたから、君が共に笑ってくれたから、今の私がいる……。」
「………。」
「だがいつまでも君に頼っていられない。」
「………。」

「今夜、私は最高の米を手に入れるため、旅立つ。」

火照った体から急速に熱が奪われるのを感じる。
秋の口調からしてそれは本当なのだろう。
まさか……、秋が、秋が旅立つだと!


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:02
「………。」
「……うぅ。」
「………。」
「………うっ……う。」
「………。」
「………ぐしゅ。」
「…………………よし。」
「……う………へ?」
「こちらの話だ。さぁ涙をふいてくれ、そんな顔されては私も困る。」
「あぁ、スマン………。って、ア、ア━━━━━━ッ!!?!?!」
「………。」
「このハンカチ…、『ドッキリでした』って書いてるじゃねぇか!!」
「どうどう、落ち着き給え。」
「これが落ち着いてられるかぁぁ!、って、うぉ!」

秋の華奢な体が俺の胸に飛び込み、抱きついてきた。
………こういうとき、オレハドウスベキナンダァァァア!!



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:05
「大丈夫だ、私の気持ちに嘘偽りはない。嘘は『今夜、旅立つ』ということだけだ。」
「………。痛い痛い!わかったから、そんなに締め上げるな!」
「嘘をついたのは謝る。だが、こうでもしないと君から本心を聞き出すのは無理だと思ったから……。」
「痛い痛い痛い痛━━━い!!」
「……あぁ、すまない。つい力を入れすぎた。」

と、秋は俺を解放した。なんちゅう力で締めやがる………。
だが、秋の愛(?)というものを痛いほど(実際に痛い)感じた。秋はなんだかんだいって俺のことをけっこう大事に思ってくれてるんじゃないか……………多分。

「じゃ……、秋はもうどこにもいかないで…俺のそばにいてくれるんだな?」
「無論だ…と、これを渡すのを忘れていた。」

渡されたのは……何かのチケットにパスポート?


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:09
「出立は三日後。午前中に迎えに行くからよろしく。」
「はぁ?」
「行き先はさっき述べた通り。まずは中国からだが…」
「まさか……さっきの米探索の件?」
「そうだ。」
「さっき旅立たないって……」
「『今夜旅立つ』のは嘘だが、『旅立たない』とは言ってないだろう?」
「いくらなんでも、話が急すぎるだろ!」
「大丈夫。親御さんには話をつけておいた。二つ返事で承諾してくれたぞ。」

恨むぜ……母さん、父さん。
まったく、やれやれだ。また秋の破天荒に巻き込まれ、しかも海外にまで進出することになるなんて……。
しかし、いつもみたいな脱力感は湧かなかった。秋といられる喜びが大きかったから…あんな話された後だし……。

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:10
「………わかったよ。」
「そういってくれると思った。」
「だが確認しておきたい…。秋、お前は俺のことが……」
「……好きだ。米y
「秋!!」

末尾の「米y」以降の言葉が気になったが、俺はそれをさえぎり秋を力の限り抱き締めた。抱き締め続けた………。







エピローグへ続く


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:12
エピローグ

「………道合ってんだろうな?」
「むぅ。私の勘をバカにしてくれるな!1キロ離れていようと君まで辿り着けるぞ!」
「………それ、関係ないよな?」

あの衝撃の告白から早くも三年目。今俺は秋の案内の元、かれこれ数時間近く道なき道を進んでいる。
中国・タイ・カンボジアとアジア各国を渡り歩いた末、ミャンマーの奥地に幻の米があると聞いたのだが………どうもガセだったようだ。こんな不毛地帯に米なんかあるのかよ……?

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:15
「………。」
「さっきからうわの空だが、何か考えてるのか?」
「あぁ………。三年前の君の告白を思い出してた。」
「な、懐かしいな。」
「今思い出しても君の歯の浮くような台詞はおもしろい。腹がよじれる。」
「う、うるせい!若かったんだよ!」
「照れるな照れるな。………これからも一緒にいてくれるか?」
「もちろんだ………そういえば俺が抱きついた時『米y』って言ったが…あれはなんだったんだ?」
「………知りたいか。」
「………あぁ。」
「訳あって今は言えない。今これを知っては、君の中の常識がすべて根底から崩れることになってしまう。………それでも知りたいか?」
「………ごめん、じゃあ今は遠慮しとく。」
「それがいい。」

『米y』の後、何が続いたのかは結局謎のまま。だが、俺の前には秋がいる。それだけで十分だ。
幻の米が見つかったら教えてくれるだろう。きっと……。



「すまない、やっぱり遭難してたみたいだ。」
「今更かよ!っていうかどうするんだよ!」
「私は君さえいればかまわない……」
「そういう問題じゃね━━━━━━っ!!!!」



〜〜〜〜〜〜Fin〜〜〜〜〜〜

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:16
>>38
ぐーーーっど しゅーーーる!!!!
いいなぁwwwGJです。GSです!
次回作もwktkしてますよーww   


では寝ますねー。

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:17
ごめん。よく考えたらシリアスでもシュールでもなんでもないただの恋愛小説だった………orz

ほんとつまらない作品で申し訳ない………。

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:28
>>40
そこまで気にするならこれからも書いてくれるんだよなwww
素直分もあったしよかったぜwwwww

>>29
素直シュールは程度に差はあれ米という存在が好きらしい
そこから派生したネタも多い

渡辺さんは……俺はわからんwとりあえず渡辺さんかツンドロでぐぐると吉w
あと出来たら書き込む前にリロード頼むぜw

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:28
>>29
渡辺さんは薄幸少女。詳しい事はスレ検索推奨
米はまとめの過去ログ初代スレ辺り参照
まあ、必ずと言う訳ではないが素直シュールが好きなものとされてる物だ

>>40
携帯からお疲れ様。面白かったよっ、GS!
「ただの」と言ってるけど、シュールの幅は広いし全然問題ないと思う

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:40
>>41-42
情報ありがとうございます。

皆さん迷惑かけてほんとすいませんでした。

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 02:42
>>39>>41>>42
読んでくれて、ありがとう………・゚・(ノД`)・゚・。
次回作はより素直かつシュールにいくので、期待してて下さい

それではおやすみです

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 03:07
保守

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 03:27


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 03:57


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:03
例え忘れられようとも、例え期待されていなくとも書き続ける。それが俺のジャスティス!
シリアス展開や伏線を入れようとすると、シュール分が減る罠に嵌り、しかも素直クールの方が目立ってるんじゃないかと
駄目な事になってはいるが、一応お米部の続きを投下してみる。「素直シュールじゃねえよ」とか思ったら遠慮なくツッコんでくれ
じゃあ今から数レス分もらうねー

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:03
「ふっふっふ」

お昼休みの孔明の罠で同盟作戦は成功。おかげで一緒にご飯が食べられた。
同時に目標、秋月修の食事時の顔を入手。また一つ君の新たな表情を見る事が出来た。

「しかし天才軍師の私は別の罠も仕掛けていたのだ」

彼もまさかこれが実は炊飯器型ボイスレコーダーであるとは思いもしなかっただろう。
何時からか急に眠くなる癖がある私にとって、これは画期的な発明だ。
残念ながらコンセントを抜くとデータが消えてしまうから、放課後まで待たなければいけなかったけど。
でも今は授業も終わった放課後の屋上。誰にも盗み聞きされる心配はないし準備万端。

「では早速さっきの会話を再生」

んー、音声良好。さて肝心の寝てしまった直前の会話は、っと。

『友達にはなれませんか?』

あれ。

『では逆に聞きます。俺が友達では嫌ですか?』

友達?

『それは……』

それは――友達は、あの日の事故で――――嫌だ、嫌だ――嫌だ。
意識が遠くなる、何だか眠くなって来た……な。

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:04
「分かってはいるが辛いものだな」

君が、妹が熱を出して寝込んでいると言う電話を受けたまでは問題ない。
その妹を心配して早く帰るのもまた兄として正しい行動だとは思う。
しかし急いでいるから部活は休むと代わりに伝えてくれと頼まれるとはな。

「……まあいい、他ならぬ友人の頼みだ。一言告げればそれで済む事だろう」

さて屋上に着いた訳だが、水上先輩は一体何処に。……何か音がするな。こっちか。

「修の言っていた通りだな。布団の上で眠っている」

しかし炊飯器まであるとは。む、音声を出しているのはこの炊飯器か。
一体どういう仕組みなんだこれは。ただの炊飯器ではない様だな。

『……ごめんなさい』

修の声?

『俺はシュー先輩が好きです』

……何で?

『だからもっと先輩の事を――だし、こんな――真面目に――――ただの先輩後輩でも――』

音声がまともに聞き取れない。どうしたのだろう、私は。
……ああ、至極簡単な事だな。自分を誤魔化しきれなくなっているんだ。
動揺してる癖に思考だけは冷静なままなんだな。
恋焦がれる相手の告白の台詞なんて聞いたら、普通の高校生は泣いたりするものじゃないのか?
なのに私はこんなにも冷静だ。そもそも私は君の事が好きじゃないのだろうと思ってしまう位に。

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:04
……けれど、この胸の痛みがそうでないと告げる。痛い、とても痛い。崩れ落ちてしまいそうな程に痛む。

「……何をしているのだろう。私はただ水上先輩に伝言があっただけじゃないか」

無意識の内に炊飯器のコンセントを抜いてしまった。お陰でそれは黙ってくれた。
ふぅ、落ち着け私。いや、冷静ではあるのだな。……すべき事をして早くここを去ろう。

「水上先輩、すみませんが起きて下さい。伝言を授かって参りました」

やはりこれでは起きないのか。……こうして近くで見ると確かに綺麗だな。
噂は通り……ではないな。噂以上だ。これなら彼が惚れるのも……。

「いけないな。私は余計な事を考えすぎる」

始めから素直に揺すって起こせばよかった。では、早速。わさわさ。

「ん……。見ろー、敵が山のようだー」

それはかなりピンチだ。でも何か台詞が間違ってる気がするな。
一体どんな夢を見ているのだろう。あの三文字を言えば、某台詞と共に起きてくれるのだろうか。
……エンディングの歌に一切れとは言え、パンが出てくるから余計な事は止めといた方がいいのだろうな。
修がパン関連の事は下手をすると大変な事になると言うような事を呟いていた。

「ドラえもーん、新しい顔よー」

いや、それも間違ってる。何から訂正すればいいのか分からない程に。
声変わりだけでも大騒ぎだったのに首まで吹っ飛んだら不味いんじゃないか?
……首が吹っ飛ぶヒーローと言うのがそもそもおかしいのだな。

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:05
「ほりえもーん、何か道具を出してよぅ」

ある意味間違っていないが、助けを求める相手が間違っている気がする。
秘密道具のライブドアも没収されているし……とりあえず、現金で全て解決か?
しかし一般人が頼んだところでノーマネーでフィニッシュするのがオチだろう。

……何時の間にか完全にペースを持っていかれているな。
本題に戻らねば。私は修に伝言を頼まれたのだ。何としてもこの先輩を起こすしかあるまい。
わさわさ、わさわさ。む、どうやら起きた様だ。

「違う!」
「……まだ夢の中だったか?」
「起こし方はわさわさではなく、ゆさゆさだっ!」

ほう、それは勉強になった。今一つ違いが分からないが。

「つまり君は我が部の副部長ではないな。何者だっ!?」
「申し遅れましたが私は……」
「なるほど、米山空と申すか。いい名だ」

ここはお礼を言った方がいいのだろうか。その前にツッコミを入れたいが。
それにしてもこれは確かに個性的な口調だ。イメージとしては三国志の武将だろうか?

「その表情から察するに当たりなのだな。ふふふ、私の記憶力も大したものだ」

自分で「申すか」と言っておきながら、「記憶力」とは矛盾している。
まあ細かい事は気にしてはいけないのだろう。だがこればかりは驚かざるを得ない。私の表情を理解出来るとは。

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:05
「実は名前に米が入ってる人の顔を全員覚えていただけだったりする」
「だけ、とは言っておられますが、それは難しい事だと思います」
「んー、そうなのかな。自然と覚えてしまった」
「……失礼ですが、先ほどと口調が違う様に見受けられますが?」

どちらの口調でも彼女には似合っている気がするが。

「これが何時もの私の口調だよー」
「そうでしたか」
「それより君にこそ何時も通りの口調で話してほしいな」
「……少々堅苦しかったでしょうか?」
「不自然。カレー好きの先輩がスパゲッティーを食べてる位に」

あれはアニメ版の黒歴史だから封印した方が幸せになれると思うのだが。

「だから気にしないで何時もの様に話して」
「ですが先輩に対して失礼……」
「んー、君は可愛い」
「……」

抱き着かれてしまった。こういう場合はどう反応すればいい?
修ならきっと笑えばいいと思うよ、とでも言うのだろう。
しかし私は綾波系とは違う気がするのだが。……想像の相手に突っ込んでも意味が無いな。

「うん、やっぱり君からはお米の匂いがする。朝はご飯派だね」
「……分かるのですか?」
「逆に聞く。君は私が分かるとは知らなかった?」
「……どういう意味でしょうか?」
「簡単な事だよ」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:06
抱き着かれていては表情が読めない。でも何故か少しだけ……今はこの人が怖い。

「君からは――修の匂いがする」
「っ!!」

それは私は修と仲がいい友達で……親友だから……だから。
でも先輩が言っているのはそんな意味ではなく、もっと別の……。

「ん、今の顔が本当の君だね」
「……」
「大体の事情は把握した。……ごめんね、でも嘘をつくのはいけない」

私の頭を撫でるその手は優しさに溢れていた。心が穏やかになっていく。
熱が冷めて冷静になっていくのとは少し違う。じんわりと温かくて安らいでいく感覚。
そうか、怖いのはこの人ではなかったのだ。本当に私が恐れたのは……。
私が怖がったのは――嘘をついていた私自身が自分の本当の気持ちに気付いてしまう事。

「嘘は……良くないんですよ? 心が壊れちゃいます。なーんてね」
「それはマイナーですよ。……水上先輩」
「あら、そうだっけ? まあそれは置いといて、その呼び方も固いな」
「でも先輩は先輩であって……」
「先輩でありながら娘と言うキャラもいるこの時代にその固定概念はよくない」

どんな状況だったらそんな事になるのですか、とでも何時もの調子なら問うのだろう。
しかし真剣な先輩を見ていたら、そんな気も失せてしまった。

「そう君には……いや、君にも私の事をシューと呼んで欲しい」
「……しかしそれは修だけに認められた呼び方なのでは?」
「自ら許可を出したのは君で二人目だけど、問題ないよー」
「……分かりました、では私の事はクーと呼んで下さい」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:06
「それではクーと。……ああ、この響きは実に君に似合っている」

私もこの名は気に入っている。だからこそシュー先輩にはこの名で呼んで欲しいと思った。
落ち着いた今ならよく分かる。私は酷く嫉妬していた。何故、修はその先輩を……と。
でも今は違う。この人になら修を任せられる。実際に出会ってみて分かった。この人はイイヒトだ。
だが分かった事はそれだけではない。やはり私は修が好きなのだ。だから私は――。

「シュー先輩」
「んー、何かな、クー?」
「私は秋月修が好きです。シュー先輩は?」

尋ねてみた。先輩も彼が好きなのかどうかを。

「難しい、でもどちらかと言えば猫より半魚人の方が好きかな」
「……犬は何処へ?」
「職安にでも行って仕事探しでもしてるんじゃないかな」
「お巡りさんにでもなればいいのでは?」
「最近の仔猫ちゃんは賢くて迷子に何かならないから仕事がないらしいよ」
「それは確かに困ってしまってワンワンとでも泣きたくなりますね」

……しまった、またペースを取られた。

「そうではなくて、質問しているのは修の事をどう思っているかです」
「パン以上プランクトン付近って所かな」
「……プランクトン?」
「食物連鎖って怖いよね……」

むしろ私は連鎖していないこの会話が怖い気がする。見事に話を逸らされてしまった。
嫌な気はまったくしないし、むしろ楽しいのではあるが。

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:06
「で、今更で悪いのだけれど」
「何ですか?」
「はい、入部届け」
「……何故これを?」
「入部しに来たんじゃないの?」

そうだ色々あって当初の目的を忘れていた。

「修から伝言があってここに来たんです」
「ふむふむ」
「妹が熱を出したそうで、急いで帰るので今日は部に出れないそうです」
「なぁーるほどっ!」
「……そのネタを文章で伝えるのは無理だと思うのですが?」
「ちなみに私はあれで初めて『あなをほる』をしてる相手に当たる技がある事を知った」

その内、ファミコンとかのネタまで使いそうだから恐ろしい。
「ええぃ、連邦のモビルシュールは化け物か!」とでも修ならツッコミそうだ。
そういう時の彼は起動性能のが三倍になるからな。赤くないのに。

「ん、事情は分かった。今日の部活動は一人でやる事にする」
「一人で、ですか?」
「……よく考えたらこの部活は修がいないと出来ないじゃないか」
「部員が二人だけなのは知っていますが、ここは何部なのですか?」
「『秋月修の百面相の謎をお米好きの水上秋が解決しつつ、屋上で熟睡』部」

それなら確かに無理だ。……しかし長いな。
ツッコまなければならない点が他にも沢山ある気がするが、この際気にしないでおこう。

「……じーっ」
「効果音つきで睨まれましても困るのですが」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:07
「ウサギは寂しいと死んじゃうんだよ?」
「実際にはそんな事ないそうですが」

脈絡のない会話だが先輩が言いたい事は何となく分かる気がする。

「……つまり入部して欲しいと言っているのですね?」
「そういう学説を唱える人もいる」
「ちなみに修は何故、この部活に?」
「それを語る為には、まず日本米の素晴らしさを説かねばなる米」
「……」
「……」
「……」
「嘘です、ごめんなさい。本当は私が無理やり入れました」

流されやすい性格だものな。思った通りの理由だ。そしてそんな先輩と付き合う内に惚れたと言ったところか。
で、今では先輩目的で部活に毎日足を運び、今日を除き活動日全て出席に至る、と。
果たしてそんな部活に私が入っていいのだろうか。いや、答えはもう決まっているな。
――何故なら私は秋月修の事が好きだからだ。

「入部させて下さい」
「あぁ、そうだよね。忙しいから私の様な人に構ってる時間は……って、あれ?」
「シュー先輩が嫌でないのならば、ぜひ入らせて下さい」
「全然嫌じゃないよ!」
「本当ですか?」
「家で作ったお弁当のカレーを食べようとしたら、二箱ともご飯だった時くらい嫌じゃない」

それは一般的に考えれば嫌だと思うのだが。
姉の元へ会いたくない上級生に会うのを覚悟で行かなくちゃならなくなったりするし。

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:07
「お米部、始まって以来の快挙だ。まさか部員が三人になるなんて」
「早速ですが、先ほどお持ちだった入部届けを……」
「あ、大丈夫。この部活、入部届けは書かなくても問題ないから」

問題は山積みのような気がする。そもそも入部届けを書かなくていい部なんて部活とは言わないのではないか?
この人が言うのだから大丈夫なのだろうと、思えてしまうのがこの先輩ではあるが。

「部活名も変えないといけないな。どうしようかなぁ」

ああ、部活に入る事になった時の修の気持ちもこんな感じだったのだろうか。
何だかおかしな事になった。ただ屋上に来ただけなのに何故、私は入部する事になったのか。
そんな事を強く思う。――思うのだが。

「いっその事、名前を三体でお米戦隊として……」

この幸せそうな顔を見ると何も言えなくなってしまって。そして思うのだ。ああ、悪くない、と。

「そうなるとリーダーの私は当然ホワイトだな。修は……」
「赤がいいのでは?」
「なるほど、通常の三倍と言う訳か」

しかしながら一つだけ問題を挙げるとするのならば。

「ふふ、それはいいな」

この素敵な笑顔をする相手こそが私の恋敵であるという事だ。

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:08
おまけ
「ところで、炊飯器のコンセントが抜けているのは何故?」
「……節電の為ではないでしょうか?」
「おお、なるほど。……あれ、何か忘れてるような」
「……」
「ああっ、これ一度コンセントを抜くとデータが消えるんだった!」
「……」
「クー、犯人に心当たりはないかな? かな?」
「……急用を思い出したので私はこの辺で」
「嘘だッ!!」

念のため持って来ていたお米をまきびしにして逃げたのは言うまでもない。


以上、投下終了。……うん、色々すまない。苦情は受け付ける。でもとりあえず寝る

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 04:22
>>59
おもすろい

保守る

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 05:58
保守

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 06:29
保守

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 06:30
穂種

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 06:53
がーばれ保守

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 07:30
保守

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 07:56
がんーれ保守

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 08:01
わかんない事あったらココで検索汁(#^ω^)
http://37514.net/pc/hatena/


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 08:19
登校保守

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 08:50
保守

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 09:12
寝た瞬間お米部が投下されていたとはw
次回もwktk

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 09:36
保守

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 10:21
保守

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 10:33
女「一粒の麦、地に落ちて死なずんば……」
男…………?」
女「聖書……でも、蒸されて死んだ麦から芽は出ない」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「あ……」
男「…………?」
女「でもほっとけばカビなら生えるかも」
男「…………!」
女「ということは……」
男「…………」
女「たとえ君が不意に死んだとしても、わたしは悲しまなくていい?」
男「今、俺が悲しくなった」
女「……やめてくれ。悲しんでいる君を見ていると、わたしが悲しい」
男「どこまでが本気なんだ、おまえは……」

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 11:27
穂シュール

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 11:52
飯穂種

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 12:20
女「唐突だが、ルーベンスの絵を見たい」
男「ほんとに唐突だな」
女「フランダースの犬を見ていて思ったんだ。あれは、そんなに死にたくなるような絵なのか、と」
男「あの話見てそんなこと思うのはお前ぐらいだよ」
女「いや、絵の力をなめるな。
  わたしはミレーの『落穂拾い』を空想するだけで口の中がお米味でべっとりしてくるんだ」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「…………♪」
男「いや、意味のない♪には悪いけど、あの絵で拾ってるのはたぶん麦だと思う。ヨーロッパだし」
女「ッ!」
男「まあ、強く生きろよ(それと、空想じゃなく実際に見ろよな……)」
女「そうか……日本だと農家の副業は落穂拾いじゃなく、落ち武者狩りだった……う・か・つ」
男「ルーベンスの話してたよな、俺たち?」
女「人生に疲れ果てた人間にとどめをさせる絵といったら、
  わが国では麗子像か……」
男(しっかりしろ、俺! わかってたじゃないか、こいつはこういう奴だって…………ッ)

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 12:36
保守

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 12:45
麗子像
http://images.google.co.jp/images?q=%97%ED%8Eq%91%9C&ie=Shift_JIS&hl=ja&btnG=%83C%83%81%81%5B%83W%8C%9F%8D%F5

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 13:42
>>78
…………やめて。コワイから、マジで。

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 14:08
保守

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 14:43
保守

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 15:08
保守

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 15:23
保守

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 15:56
保守

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 16:03
イ ウ
 呆 寸

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :06/05/08 16:28
イ呆守