東風




プロローグ


シュウ「今年もやってまいりました麻雀大会!」
シュー「どんどんぱふぱふー。」
シュウ「優勝者には豪華うなぎの蒲焼タレ1年分。」
クー男「うわーなんか地味な賞品だなぁ。」
シュウ「学生だとこれが限界なんだよ。」
ツン男「俺に幹事を任せればもう少しマシなの用意できたのに。」
シュウ「ウナギダレには金持ちには分からない味わいがあるんだよ。」
クー男「いまシュウがいい事言った。」
ツン男「・・・・で、面子はどうするんだい?」
シュー「ツン、クーは麻雀が出来ないから残りの4人でやる。」
クー男「いや、シューチームは何で2人もいるんだ。卑怯だぞ。」
シュー「私が優勝しても、シュウに賞品は渡さない。」
ツン男「・・・お前らホントに恋人?」
シュウ「大きなお世話だ。」



米ローズ


シュウ「親は私だね。」
ツン男「よし、はじめてくれ。」

シュー「・・・米。」
シュウ「ほい。」
シュー「ポン。・・・・米。」
シュウ「・・・ほい。」
シュー「ポン。」
ツン男「・・・・・何この阿吽の呼吸。」
クー男「・・・・・か、勝てない。」
シュウ「まあね。でも・・・・。」
シュー「それロン。白、東、ドラ1。」
シュウ「こいつ、恩を仇で返す奴なんだよ。」



連れション会議


シュー「オープンリーチでツモ和がり。」
シュウ「・・・・・何が起きた?」
ツン男「・・・あー・・・少しお手洗いに行ってきます。」
クー男「・・・・俺も。」

クー男「クソー、このままじゃシューの一人勝ちだ。」
ツン男「あんなに強いとは思わなかった。」
クー男「こうなったらツン男、お前が和がれ。俺がお前に牌を送る。」
ツン男「しょうがないな、これも即死回避のためだ。」

東一局3本場
シュー「あ、天和。」
ツン&ク「か、回避不可能!?」

マイナスになった男達。だれもシューの暴走は止められないのか!?



ファイヤーウォール


ツン「ツン男〜がんばれー!!負けんじゃないぞー!!」
クー「私は君を信じてるぞ。」
ツン「ねえクー、負けんなとは言ったものの、どうすればツンの勝ちになるの?」
クー「うーん、私もよく知らないのだが、そろえれば勝ちじゃないのか?」
ツン「リーチ!!ってのはあのリーチよね。じゃあツンはあと一枚で勝てるって事?」
クー「・・・たぶん、そうだろうな。」 ツン「たしか、同じのをそろえるか、一個ずつ順々にそろえるかするのよね?」
クー「そうらしい。でも、漢字のはどうなのか分からないな。」
ツン「・・・じゃあ、ツン男は漢字の7を引けば勝ちなのね。」
クー「どれどれ・・・そうらしいな。」
ツン「ツン男〜!!七ひけー!!がんばって七引くのよー!!」

ツン男「・・・orz」
シュー「ほう、ツンのリーチは引っ掛け立ったのか。危ない危ない。」
シュウ「見えない壁か・・・。シューが麻雀できてよかった。」
シュー「その三索、ロン。」
シュウ「・・・orz」



建前は本音


-心の中-
ツン男(おお、今回やけに引きがいいぞ。)
クー男(あ!流れがやっと俺に来た!!)
シュウ(やっと福が回ってきたか?)
シュー(ビームジャベリンってどうなってんのかなぁ。)

-心の外-
クー男「フンフン♪」
ツン男「お、お前、なんか調子よさそうじゃん。」
シュウ「クー男、抜け駆けする気か?」
シュー「イセリナの時にしか使わなかったからなぁ。」
クー男「よーし来たきたぁ。」
ツン男「クソー負けてられっか。」
シュウ「皆いきなり顔色がよくなったな。」
シュー「あれって本当に伸びるんかなぁ。」
クー男「あ!!        」
ツン男「   その5萬    」
シュウ「        ロンだ!!」

シュー「・・・トリプルは流局だな。」
3人「・・・・orz」



ツキは出ているか


シュウ「クックックックック・・・。」
ツン男「ど、どうしたいきなり。」
クー男「とうとう気でも狂ったか?」
シュー「いや、シュウは親になると俄然強くなるんだ。」
ツン男「まぢかよ。」
シュー「ああ、そのおかげで何度脱がされたことか・・・・。」
クー男「三次元でやるなんてえっちー。」
シュウ「こら、勝手に話を作るな。じゃあ、始めるぞ。」

シュウ「ツモ、タンヤオ。」
クー男「セコいな。」
シュー「いや、シュウは親の時に渋い手でチマチマ点をかき集めるのが特徴。」
ツン男「夢のない男だな。もうちょっとバーンと狙ったらどうなんだよ。」
シュウ「いや、麻雀でも人生でもバーンと狙うと後悔するとシューと一緒にいて気づいたんだ。」
ツン男「・・・・・・。」
ツン 「な、何こっち見てんのよ!!バカァ!!」
べちぃん!!
ツン男「・・・痛い。」
クー男「皆大変だな。」



ボーイズアンドガールズ


ツン男「ねえ、シューってなんで麻雀できるの?」
シュー「ああ、よく職員室とかでやってたから。」
クー男「面子が足りないからって生徒を巻き込むなよ。」
シュー「麻雀のイロハを教えてくれたのはやっぱりあの人。」
シュウ「だろうと思った。」
クー男「え、だれなの?」
シュウ「教えてもいいけどかかわらないほうがいいと思うよ。」
ツン男「ふーん。俺とクーは二人で入門書回し読みしたんだよなぁ。」
クー男「そうそう。役一覧表を取り合いしたっけねぇ。シュウは?」
シュウ「・・・・・シューに教わった。」
クー男「・・・・・恋人に教わったの。だせーなー。」
シュウ「・・・・君のそれ、ロン。」
クー男「・・・もしかして、怒った?」
シュウ「怒ってないよ。倍満ね。」
クー男「ごめん、ちょっと言い過ぎたよ。」
シュウ「24000点。」
クー男「・・・ごめん。」



ツモる思いが地獄を招く


クー 「ねえクー男、私も麻雀やりたいんだけど。」
クー男「え?お前、麻雀できないんじゃ・・・。」
クー 「君が隣で教えてくれればできる。」
クー男「まあ、そりゃそうか・・・。じゃあ、俺のところに座って。」
ツン男「お、クーちゃん初体験か。がんばってね。」じゃらじゃらじゃら・・・
クー男(・・・ほう、これはトイツ系だな・・・。)
クー 「それと、私・・・・」
クー男「ん?なんだい?」
クー 「・・・役満であがりたいんだけど。」
クー男「・・・・・・へ?」
クー 「役満が一番強いんだろ?じゃあそれで勝ちたい。」
クー男「・・・・・・わかった。努力しよう。」

クー 「・・・・・(引いた牌は竹の5だ)。」
クー男(シューがリーチだから、とりあえず現物の漢字の4をきってくれ。)
クー 「・・・・やだ。」
クー男「・・・はい?」
クー 「漢字の4は2枚そろっている。そろってない竹の5を捨てるよ。」
クー男「と、ちょっとまて!!それはど真ん中・・・」
シュー「・・・・通しだ。」
クー男「・・・あ、危なかったー。」
ツン男「残念。それロン。三暗刻。」
クー男「うわ、こっそりテンパイなんてずるい。」
クー 「・・・・負けたのか?」
クー男「ああ、振り込んじまったからな。」
クー 「そうか・・・・。じゃあ・・・・」
クー男「うわ!お前、何服脱いでんだよ!」
クー 「・・・?そういうルールじゃなかったのか?」
シュー「・・・・・そうだよ。」
シュウ「お前が犯人か。」



笑う門には福来たる


クー(結局服脱ぎっぱなしで続行。)「次はどうすればいいんだ?」
クー男(そうだな・・・ニコニコ狙いでいくか・・。)
クー (ニコニコ・・・・。私の苦手な分野だな。)
クー男(いや、笑顔関係ないから。)
シュー「そうか、チートイツか。」
クー男「な、なぜばれた!!」
シュー「クーが作り笑いした→ニコニコを勘違いしたと推理したのだ。」
クー男「・・・。」
ツン男「でもチートイツだと読みにくいな・・・。」
シュウ「自在に待ちを変えられるからな。」
シュー「・・・・・米。」
シュウ「ほい。」
シュー「ロン。トイトイ。」
シュウ「・・・・危険牌と分かっていたのに体が勝手に動いてしまった・・・。」
ツン男「これがパブロフの法則か。」
クー男「微妙に違う気がする。」

さて、次回はオーラスだが、今のところシューのダントツトップ。
果たして奇跡は起こるのか!?



決戦前夜(ずっと夜だけど)


さあ、オーラスです。が、その前に皆さん休憩。戦略を練ってます。

クー男「最後ぐらい俺がやってもいいよな。」
クー 「ああ、私のためならかまわないさ。・・・はっくしゅ。」
クー男「俺の上着来ていいよ。」
クー 「・・・・愛してるよ。」

ツン 「いい?絶対負けんじゃないわよ!!」
ツン男「そこまで応援してくれるとは思わなかった。うれしいよ。」
ツン 「・・・わ、私はただウナギのたれがほしいだけだから!」
ツン男(ムキになって・・・。)
ツン 「笑うんじゃない!!」べちぃ!!
ツン男「・・・・いいパンチだ。」

シュウ「シュー、俺は手加減はしないぞ。」
シュー「・・・・今まで手加減してたのか。」
シュウ「いや、別にそういうわけじゃないけど・・・。」
シュー「私は手加減してたぞ。」
シュウ(・・・なんか始まる前から負けた気がする・・・。)
シュー「まあ、私を超えて見せろ!!そうすれば、ウナギダレの神様は君に微笑むだろう!」
シュウ「どんな神様だよ。」

狂う 「ヤッホーみんな。見にきたよ〜♪ほい、差し入れ♪」
ツン男「あ、味噌汁か。寒い日にはいいねぇ・・・・・」
クー男「・・・でもなんか・・・鉄臭いな・・・赤いし。」
シュウ「これ・・・・本当に味噌汁なの?」
狂う 「だれも味噌汁なんていってないわよ〜♪きゃははははははははは・・・」
全員「・・・・・・・・orz」

のっけからテンションダウンで開始。次回、感動(?)の最終回!!



兵どもが夢の後


じゃらじゃらじゃら・・・
クー男(いつになく重い空気だな・・・。)
ツン男(フフ・・・気を抜いたものの負け・・か・・・。)
シュウ(信じられるものは己の運のみ・・・。)
シュー(逃げるのは楽だが・・・あえて大きく出よう。)
全員 (勝つのはこの俺(私)だ!!)

シュウ「リーチ。」
クー男「ま、まだ4順目だぞ!!」
シュー「私もリーチだ。」
ツン男「・・・・ふふ、早い千点棒・・覚悟の印か。」
シュウ(・・・恐らくツン男クー男もテンパイ・・・手を変える気はないらしい・・・。)
シュー「逃げる麻雀より、こういう方が好きだ。ゾクゾクする。」
シュウ「さて、だれが先に和がれるかな?」
カタン、カタン、カタン・・・・・
シュー「・・・3ピン・・・ど真ん中だな。どうだ?」
シュウ「通しだ。」
シュー「・・・ふう。」
クー男(2人がリーチをかけてからもう15順・・・早いものだな・・・。)
ツン男「發、まあ安全だな。」
クー男「それカン。」
ツン男「・・・何を考えてる?」
クー男「場を盛り上げようと思ってね。それと俺もリーチ。」
ツン男「勝手にしろ。」
シュー「・・・・また、危険牌か・・・。どうだ・・・!?」
シュウ「・・・・・・・・・勝った。」
シュー「・・・・・・フッ。」
シュウ「ロン!リーチ、断ヤオ、二盃口、七対子、ドラ6。」
ツン男「よ、四倍満・・・!」
クー男「数え役満で・・・シュウの・・・逆転・・・。」
シュウ「こ・・・・・超えたぞ・・シューを・・。」
バタ!!
ツン男「あ、こいつ、ぶっ倒れた!」
クー男「おー、完全に伸びてる。」
シュー「・・・・。」



エピローグ


シュー「と、いうわけで、優勝はシュウに決定。おめでとー。」
ツン男「最後に大物が来るとはな。かなわないよ。」
クー男「まあ、俺がカンしてなかったらお前3位だったけどな。」
シュウ「ああ、感謝してるよ。場荒らし君。」
クー男「やな奴だなー。素直になれよ。」
ツン男「でも、友達同士で麻雀も結構楽しめたな。またやろうな。」
シュウ「ああ、そうしよう。」

シュー「にしても私に一勝したくらいで気絶するとは情けないぞ。」
シュウ「だってお前に勝つのが俺の目標だったんだよ。」
シュー「・・・・じゃあ今度はお前が私の目標だな。」
シュウ「いつでもかかってきなさい。」
シュー「随分と低いハードルだ。」
シュウ「ひでぇ。」

シュー「それと今晩は秋刀魚の蒲焼を私達にご馳走してくなさい。」
シュウ「命令形?」
シュー「というより決定事項。」
シュウ「・・・・。」